2003年 3月 8日
滝沢チャグチャグ・スポーツクラブ
(小学生バレーボール)
指導員・栗沢 貘
近年、ホームビデオカメラも低価格化し、地方のスポーツ指導でも利用できる環境になってきた。しかし、カメラを手に入にいれてもそれをどの場面でどのように使うのかという事がわからない、というのが一般的な実状ではないかと思う。ある指導者にカメラがあるから使いましょうと話しかけたところ、ただ「映して下さい、後で見ますから」という答が返って来た。
自分は今までカメラを借用して自分の技術レベルアップのために利用してきたのであるが、このたび自分のものとして購入できたため、これを機会に指導のための一つの重要な手段としてビデオ活用方法を研究してみようと思い立った。ここに示すのは、その第一回目の実践の記録である。
T.目標
一つ一つのプレーについて、撮影してその場で見せる事によって各自が「どう直せ」と言われているのかを理解する事。U.準備したもの
<ハードウェア>V.指導手順書
<ソフトウェア>
- ビデオカメラ(有効画素数 約20万画素、Hi8方式8ミリビデオ)
- 三脚
- モニターテレビ(パソコン用 640×480ピクセル)
- アダプタ(ビデオカメラ映像出力をモニターテレビ入力に変換するための電子キット。完成品。)
- 延長コード、及びそれを床面に固定するためのガムテープ
- 審判台(ボールからカメラを守るためこの台の下に三脚を立ててカメラをセット。モニターテレビを、見やすいように台上に配置する。)
- 指導手順書(指導内容と手順)
- 指導者間で、ビデオを利用した指導のために時間を設ける事に対する了解の取りつけ。
[事前指導] ビデオ撮影を「遊び」にしないための意識づけ。W.実践の結果
[指導の内容と手順] アンダーパス
※ 《タイム・チェック》=素早く巻き戻して見せるため、タイマーをチェックしておく。
- まず、皆がやっているアンダーパスを撮る。
(一列縦隊、3サイクル程度) 《タイム・チェック》- 全員指導
- 「構え」をとらせる。
- 正面へ前進しながら腰を落とし、腕を「前」に組む。
(「下」に組ませないように。)- 面に載せ、腕を振らせないようにからだ全体で上げる。
この時、足は左右には閉じる。- 一列縦隊で練習。個別に指導しながら、必要に応じてビデオを戻して見せる。 《タイム・チェック》
- 仕上がりを撮る。(一列縦隊、3サイクル程度) 《タイム・チェック》
- 1.と4.の比較。
※ 3.の一列縦隊練習は、一列縦隊で全員を撮ってから見せた方がよいか、練習の流れを止めても撮ったものを見せながら指導した方がよいか、決めないうちに練習日になってしまったので、現場の状況を見て決めることとした。
X.事後処理
- 2.の指導をしながら、子供達自身は指導された通り腕を下げないように一生懸命やっているつもりなのに実際は下がってしまっている事に自分で気付いていないらしい、という事に気付き、その後の手順予定を破棄して一度モニタの前に子供達を集め、実際に自分のプレーがどうなっているかを見せた。その結果、自分が意識しているよりもはるかに腕が下がってしまっている、それを直すためにはもっと腕を上げなければいけないという事が理解できたようである。この点ではビデオ利用の効果が認められ、今後の利用価値もあると思われる。
- その後もビデオを撮り続けながら練習を続けたが、一つのパターンの練習が30分以上も続いてしまった(大人でも普通は15分が限度)ため、5.の「1.と4.の比較」はカットした。
- いくつかの点で、指導すべき事を忘れた。(足は左右に閉じる事、腕の「面」に「目」を近づける事、などなど。)
まだまだ指導が徹底しておらず、指導し忘れた事柄もあったので、帰宅後コンピュータ処理をして分解写真を作り、一人一人個別にコメントを入れ、手本プレーの写真も加えて次回練習日に手渡した。Y.今後の課題
また、中学生の大会のビデオから手本となるプレーを取り出し、アヌメGIFを作成してノートパソコンに入れ、指導時に見せた。
- ビデオ利用法の更なる研究
ここに示したのは一つの例に過ぎない。まだまだいろいろな利用の方法があると思うので、研究は続けるべきである。- 指導内容の準備をしっかりと
どういう場面でどのように使うか、その内容と流れをしっかり作っておかないと、子供にすれば「テレビに映る!」という遊び心が主になって「指導」が充分行なえない危険性がある。[事前指導]にあるように、遊びになってしまわないための、簡潔で適確な「意識づけ」とその後の内容の作りが確かなものになっていなければならない。- 事後、コンピュータ処理を行なったが、キャプチャリングした映像から分解写真を取り出し印刷資料を作成するまでに大変な手間がかかってしまった(6人分で3日間)。手早く処理できるソフトが必要。
(分解写真資料作成までの流れ)以上のように、6本のソフトと多くの手作業を要した。1つか2つのソフトで効率良く行なえるようにする必要性を強く感じた。
- ビデオキャプチャ・ボードと取込みソフトを使って映像をMPEG−1で取得。(1コマ 1/30 sec )
- MPEGファイルから、ボールが手に当たった瞬間を中心に2コマおきに静止画像を切り出し、一人につき約50画像をBMPファイルとして保存。(切り出し用ソフト使用)
- 保存整理のため、ファイル名を付け替え(手作業)、JPEGへ変換。(一括変換ソフト使用)
- 中学生のプレーを手本として見せるため、別のビデオから同様の手順でBMPファイルを切り出し。アニメGIF作成のため、BMPファイルをGIFファイルに変換。(画像ビューワ・ソフトを使って1枚1枚BMP画像を読み込み、GIFファイルに書き出し。) その後、アニメGIFを作成。(GIF→アニメGIF作成ソフト使用。)
- プリンタ・ソフトを使って、A4紙に20枚の写真を配置して印刷。この際、20枚に収まらない(長い)プレーは、途中のコマ抜きを行なう。印刷される No. はコマ抜き前の順を示しているので、No. を見てコマ抜きが分かるようにした。20枚の写真の配置はソフトにより自動的に行なわれるが、コマ抜きはプレーの特徴が出るように手作業で選出。
印刷資料 (Web 用に再配置。コメントは省略。)
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